GREETING
一般社団法人日本看護学教育学会は、第36回学術集会を2026年8月29日(土)・30日(日)に大阪国際会議場にて開催いたします。歴史ある本学会の学術集会を開催する機会をいただき、心より感謝申し上げます。
第36回学術集会のメインテーマは、「看護学教育における革新と伝承」です。
現代の看護学教育は、デジタル技術やAIの進展によって大きな変革の時代を迎えています。内閣府が提唱するSociety5.0の理念のもと、IoTや人工知能(AI)を活用した情報共有が進み、教育の形態も大きく変わりつつあります。看護学教育の場においても、ICT基礎力の強化やシミュレーション教育へのAI導入など、デジタル技術の活用が広がっています。
ICTの活用による学習の効率化やシミュレーション教育の発展が進む一方で、これらの技術革新だけでは、看護師が実践で必要とされる能力を十分に育むことはできません。VUCA(Volatility, Uncertainty, Complexity, Ambiguity)の時代を迎え、医療環境はますます複雑化し、予測困難な状況への対応力が求められています。そのような環境において、看護師には、知識の習得だけでなく、柔軟性や臨床判断能力を高め、変化に適応する力を備えることが求められています。
看護師は、決められた手順を正確に遂行する「定型的熟達者」ではなく、患者の個別性を考慮しながら適切な判断を下せる「適応的熟達者」としての能力を期待されています。こうした能力を育むためには、技術革新を活用しながらも、経験を通じた実践的な学びや、熟達者からの「わざ」の伝承が重要な役割を果たします。
本学術集会では、技術革新を活用しながらも、人間理解と対話を重視した看護学教育の本質を維持し、「革新」と「伝承」をどのように融合させるかについて議論を深めます。新たな時代に即した看護学教育のあり方を、皆様と共に探求できることを楽しみにしております。
本学術集会は、現地開催とオンデマンド配信を併用したハイブリッド形式で実施いたします。
参加者の皆様にとって有意義な学術集会となりますよう、鋭意準備を進めております。
多くの皆様のご参加を心よりお待ちしております。何卒よろしくお願いいたします。
一般社団法人 日本看護学教育学会 第36回学術集会
大阪医科薬科大学看護学部 教授